雨粒が映す景色

雨の日は嫌いだった
雨の日は気分が落ち込んだ
だけど雨の日も好きだと思いたかった
雨の日もいいよね、って口にしてた
だって雨の日は必要だし
そう思える方がポジティブだし
いい子っぽいし
そんなふうに
柔軟な自分を
演じていたかった
だけど
雨の中でも光っている黄色の絨毯があった
遠い山々は水墨画のように威厳があって
白い湯気をたてている
桜の小さな蕾は雨粒と一緒に景色を映していて
雨の中の世界は
初めて見るように美しかった
これでもう心から
雨の日も好きだと言える
雨粒の景色を写したくて
濡れても良かった
きっと
雨の日も好きだと言い続けたから
こんなふうに思う日が
来てくれたんだ
雨の中の世界に立ちながら
そう思った
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